わあ、見て見てスルメ君!大きいシャボン玉の中に小さいシャボン玉が入ってる!すごいね!
おお、すごいじゃないかプリンちゃん!これは珍しいことだよ。どうやってできたんだろうね。
わからないけど、すごく嬉しい!これは記念に写真を撮らなきゃ!
その瞬間、大きなシャボン玉は割れてしまった。
ああ、もう!せっかくのチャンスが!
残念だったねプリンちゃん。でも、こんなこともあるさ。
実はね、今の小さなシャボン玉みたいな薬や栄養素を
大きいシャボン玉みたいな膜で守りながら体内へ運ぶ、
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤っていう輸送手段があるんだ。
リピットマイクロスフェア?リポソーム製剤?それって何?
それはね、シャボン玉と似ているんだけど、もっと小さくて、
もっと丈夫な球状の構造を持つ製剤なんだ。
その中には薬や化粧品などの有効成分が入っていて、
皮膚や血管に浸透したり、特定の細胞に届けたりすることができるんだよ
どちらも油と水を混ぜたようなものでしょ?
でも、リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤って何が違うの?
どちらも油と水を混ぜたようなものでしょ?
そう見えるかもしれないけど、実はその油と水の混ぜ方に大きな違いがあるんだよ。リピットマイクロスフェアは油相に薬物を溶解または分散させて、水相に微粒化したo/w型エマルション製剤なんだ。つまり、油滴が水の中に浮いている感じだね。
ふーん、じゃあリポソーム製剤はどうなってるの?
リポソーム製剤は油相ではなくて、二重層のリン脂質膜でできた小さな球状の袋(ベシクル)を水相に分散させた製剤なんだ。この袋の中にも外にも水が入っているから、w/o/w型エマルション製剤とも言えるね。
なるほど、リピットマイクロスフェアは油滴が水の中にあるけど、
リポソーム製剤は水滴が油の中にあって、その油がまた水の中にあるってことね。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤は適用する薬物の種類
へえ、じゃあリピットマイクロスフェアとリポソーム製剤は適用する薬物の種類が違うんだね。
そうだね。例えば、慢性動脈閉塞症の治療薬としてプロスタグランジンE1や炎症にパルミチン酸デキサメタゾンを配合したリピットマイクロスフェア製剤が用いられている。
これらは油溶性や疎水性の薬物だから、
リピットマイクロスフェアに入れることで血管内に投与できるようになるんだ。
なるほど、じゃあリポソーム製剤はどんな薬物が入ってるの?
リポソーム製剤は水溶性や親水性の薬物を入れることができるから、例えば抗がん剤のドキソルビシンや抗真菌剤のアムホテリシンBなどが入っている。これらは水溶性や親水性の薬物だから、リポソームに入れることで生体内での分布や作用を制御できるんだ。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤のメリット・デメリット
へえ、すごいね。
でも、リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤は
それぞれどんなメリットやデメリットがあるの?
いい質問だね。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤はそれぞれにメリットやデメリットがあって、
それによって使い分けられているんだ。
リピットマイクロスフェア | リポソーム製剤 | |
---|---|---|
メリット | ・脂溶性の薬物を高い効率で包埋できる ・脂質の種類や比率を変えることで薬物放出速度を調節できる ・生体内で分解されにくく長時間持続する ・表面に機能性分子を修飾することでターゲティングが可能 | ・水溶性・脂溶性低分子から核酸やタンパクなどの高分子までを包埋可能 ・生体膜由来の安全性や再構成性が高い ・非特異的な分布を抑制し選択的に目的とする組織に送達する ・既存の薬剤の欠点を補ったり、効果を高めたりして再利用可能 |
デメリット | ・製造や評価が難しい ・水溶性の薬物を包埋することができない ・生体内で分解されにくいため、長期的な安全性や排泄機構が不明確 ・表面修飾によるターゲティングはまだ確立されていない | ・製造や評価が難しい ・生体内で分解されやすい ・肝臓や脾臓などの組織にキャッチされやすい ・膜中に包埋した薬物が漏れ出すことがある |
なんだかよくわからないわ。
まず、リピットマイクロスフェアのメリットは
油相に多くの薬物を溶解または分散させることができることと、油滴表面に特定の分子を修飾することで標的化や徐放化などの機能を付与することができることだね。
デメリットは、油滴が血液中で凝集したり破壊されたりする可能性があることと、油相に溶解または分散させられない薬物を入れることができないことだね。
じゃあ、リポソーム製剤のメリットやデメリットは?
リポソーム製剤のメリットは、
ベシクル内部に水溶性や親水性の薬物を入れることができることと、
ベシクル表面に特定の分子を修飾することで標的化や徐放化などの機能を付与することができることだね。
デメリットは、ベシクルが血液中で融合したり破壊されたりする可能性があることだね。
なるほど、それぞれに長所や短所があって、そのバランスを考えて使わないといけないんだね。
そういうことだね。
今回はリピットマイクロスフェアとリポソーム製剤の違いについて勉強したけど、他にも色々なコロイド製剤があって、それぞれに特徴や応用があるんだよ。興味があったらまた調べてみてね。
クイズ
うん、ありがとう魔理沙。今日は勉強になったよ。でも、もう少し楽しく勉強できないかな?
楽しく勉強したいなら、ゲームをしようよ。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤に関するクイズを出してあげるから、答えてみてね。
えー、クイズなんて面倒くさいよ。
だから、楽しく勉強する方法だって言ってるじゃない。
それに、正解したらご褒美もあるよ。
ご褒美?何かくれるの?
うん、正解したら私があなたのために素敵な写真をあげるよ。どんな写真かは秘密ね。
ほー、それはちょっと気になるかも。
じゃあ、やってみましょう。
よし、それじゃあ最初の問題だよ。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤のどちらがベシクルと呼ばれる構造を持っているかな?
えーと、ベシクルって二重層のリン脂質膜でできた袋だったよね。だから、リポソーム製剤だよ。
正解!すごいね、プリンちゃん。
リポソーム製剤はベシクルと呼ばれる構造を持っていて、
その中に水溶性や親水性の薬物を入れることができるんだ。
さて、次の問題だよ。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤のどちらがo/w型エマルション製剤と呼ばれるかな?
o/w型エマルション製剤って油滴が水の中に浮いているやつだったよね。だから、リピットマイクロスフェアだよ。
正解!やるね、プリンちゃん。
リピットマイクロスフェアはo/w型エマルション製剤と呼ばれていて、
その油相に油溶性や疎水性の薬物を入れることができるんだ。
では、最後の問題だよ。
リピットマイクロスフェアとリポソーム製剤のどちらが抗がん剤のドキソルビシンを配合しているかな?
抗がん剤のドキソルビシンって水溶性や親水性の薬物だったよね。
だから、リポソーム製剤だよ。
正解!すばらしいね!
リポソーム製剤は抗がん剤のドキソルビシンを配合していて、
そのベシクル表面に特定の分子を修飾することで標的化や徐放化などの機能を付与することができるんだ。
おめでとう、プリンちゃん!全問正解だよ!
やったー!ありがとう、スルメ君。やっぱりクイズは楽しいね。じゃあ、ご褒美は何かな?
あ!これ!私が撮れなかったあのシャボン玉じゃない!
実はこっそりと撮っていたんだ。
ふふっ。ありがと、スルメ君は不器用だね。
以上がシャボン玉から学ぶリピットマイクロスフェアとリポソーム製剤の違いとメリット・デメリットでした。参考になりましたでしょうか?もしもっと詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
・Lipid Microspheres (Lipid Emulsions) - J-STAGE
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