おはよう、スルメ君。何をしているの?
おはよう、プリンちゃん。勉強だよ。
薬剤師国家試験まであと半年だからね。
えー、そんなに早く勉強しなくても大丈夫じゃない?
私はまだ全然やってないよ。
そんなこと言ってたら、試験に落ちちゃうよ。
薬剤師になるには、国家試験に合格しないといけないんだから。
分かっているわ。
でも、薬剤師になってもどこで働くか決めてないのよね。
病院や調剤薬局以外にも色々あるみたいだけど、
どれが自分に合ってるかわからないわ。
そういうときは、色々調べてみるといいよ。
薬剤師の働き方は、一つじゃないんだから。
へー、そうなんだ。
じゃあ、教えてよ。どんな働き方があるの?
分かった。じゃあ、休憩ついでに薬剤師の働き方について一緒に調べてみようか。
薬剤師の働き方とは?
まず、薬剤師の仕事とは何かを知る必要があるわね。
そうだね。
薬剤師とは、医師が交付した処方箋に基づいて薬を調剤し、
患者さんへの服薬指導や薬歴管理を行う専門職のことだね。
つまり、医者が書いた紙に従って薬を作って渡す人ってこと?
そういうこと。でもそれだけじゃなくて、
患者さんに薬の効果や副作用、飲み方や注意点などを教えたり、
過去に飲んだことがある薬やアレルギーなどを確認したりすることも大切な仕事なんだ。
なるほど。じゃあ、患者さんとコミュニケーションを取る能力も必要なんだね。
そういうこと。
さらに、薬剤師は医療チームの一員として医師や看護師などと連携して患者さんの治療に関わったり、新しい薬の開発や研究に携わったりすることもあるんだ。
へー、すごいね。薬剤師って色々なことができるんだね。
そう。だから、薬剤師には色々な働き方があるんだ。
薬剤師の働き方の種類
薬剤師の働き方は、大きく分けて4つの種類があるよ。
それぞれにメリットやデメリットがあるから、
自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて選ぶ必要があるね。
その4つの種類って何なの?
それはね、
・病院薬剤師
・薬局薬剤師
・企業で働く薬剤師
・ドラッグストアで働く薬剤師
の4つだよ。
なるほど。それぞれどんな違いがあるの?
それじゃあ、一つずつ見ていこうか。
病院薬剤師
そうなんだ。じゃあ、病院薬剤師は患者さんと直接話すことも多いんだね。
そういうこと。
患者さんに服薬指導をしたり、
入院中や退院後の薬について相談に乗ったりすることもあるよ。
また、医師から処方箋を受け取って調剤するだけではなく、
患者さんの症状や検査結果などをもとに最適な薬物治療を提案したり 、
医療安全や感染対策などにも関与したりするんだ。
すごいね。じゃあ、病院薬剤師は専門的な知識が必要なんだね。
そういうこと。
特に大規模な総合病院では、
さまざまな科目や領域に対応する必要があるからね。
その分、給与や福利厚生も充実していることが多いよ。
それはいいね。でも、大変そうだわ。
そうだね。業務量が多かったり、
夜勤や当直があったりする場合もあるからね 。
プライベートの時間が少なくなったり、
ストレスが溜まったりすることもあるようだね。
それは大変だね。じゃあ、小規模なクリニックではどうなの?
小規模なクリニックでは、そういうことはあまりないよ。
業務量も少なくて、プライベートの時間も確保しやすい。
ただし、給与や福利厚生は大規模な総合病院に比べて劣ることが多いみたいだね。
なるほど。じゃあ、病院薬剤師は働く場所によってメリットやデメリットが違うんだね。
そういうこと。病院薬剤師になりたい人は、
自分の希望や目標に合った病院を選ぶ必要があるね。
薬局薬剤師
薬局薬剤師とは、調剤薬局で働く薬剤師のことだよ。
医師が書いた処方箋をもとに調剤し、
患者さんに必要な薬を渡すのが主な仕事だよ 。
そうなんだ。じゃあ、薬局薬剤師は病院薬剤師と違って医療チームの一員じゃないの?
そういうこと。薬局薬剤師は医療機関とは別の組織で働くからね。
でも、それだけじゃなくて、
患者さんの症状やライフスタイルを確認して服薬指導を行ったり、
過去に服薬していた薬について確認したりすることも大切な仕事なんだ。
なるほど。じゃあ、患者さんとコミュニケーションを取る能力も必要なんだね。
そういうこと。さらに、調剤薬局では、
医療機関と連携して処方箋の内容を確認したり、
在庫管理や情報管理なども行ったりするよ。
すごいね。じゃあ、調剤薬局で働くメリットは何なの?
調剤薬局で働くメリットは、
土日にしっかりと休みを取れる職場が多いことや、
プライベートを優先させたい人でも柔軟な働き方を選択できることだね。
全国に展開している調剤薬局チェーンであれば、
家族の転勤に合わせて自分も異動することもできるよ。
それはいいわね。でも、デメリットは何なの?
デメリットは、給与や福利厚生が病院薬剤師に比べて劣ることが多いことや 、専門性やキャリアアップのチャンスが少ないことだよ。
そうなんだ。じゃあ、薬局薬剤師は働きやすさを重視する人に向いているんだね。
そういうこと。薬局薬剤師になりたい人は、
自分の希望や目標に合った調剤薬局を選ぶ必要があるね。
企業で働く薬剤師
最後に、企業で働く薬剤師について見ていこう。
企業で働く薬剤師とは、製薬会社や医薬品の卸業社、化粧品会社、食品会社、医療機器会社など、医療関連の企業で働く薬剤師のことだね。
自分の専門知識を生かしながら、さまざまな職種で活躍できるんだ。
へえ。じゃあ、企業で働く薬剤師はどんな仕事をするの?
企業で働く薬剤師は、
研究職や開発職、営業職や学術職、品質管理担当や管理薬剤師、企業内診療所の薬剤師など、
様々な職種があるんだ。
職種 | 仕事内容 | 向いている人・必要なスキル | |
---|---|---|---|
研究職 | ゼロから新たな価値を生み出す仕事 | 自社の薬を売り込むだけでなく、医薬品の適正使用をサポートすることも大切な仕事。 客観的に商品を比較し、医療従事者に最適な情報提供ができるようにする。 | 根気強く取り組める人 |
開発職 | 企業が保有するサービスを商品化する仕事 | 日々更新される最新の医薬品情報をさまざまな媒体から取り入れ、管理する。 必要に応じて医療機関の医師に情報やアドバイスも提供する。 | 考えることが苦ではない人 |
営業職(MR) | 医療機関や調剤薬局に薬や機器を届ける仕事 | 製品の品質が基準を満たしているか製造の各ステップで検査し、問題があれば原因を突き止める。 さまざまな部門へ報告やフィードバックを行う。 | 幅広い知識とコミュニケーション能力 |
学術職(DI) | 医療品情報を管理する仕事 | 日々更新される最新の医薬品情報をさまざまな媒体から取り入れ、管理する。 必要に応じて医療機関の医師に情報やアドバイスも提供する。 | 冷静に情報を処理できる人 |
品質管理担当 | 自社の医薬品の品質が保たれるよう管理する仕事 | 製品の品質が基準を満たしているか製造の各ステップで検査し、問題があれば原因を突き止める。 さまざまな部門へ報告やフィードバックを行う。 | コミュニケーション能力 |
管理薬剤師 | 医薬品や従業員の管理業務を担当する仕事 | 薬剤管理のほか、薬剤師への指導や教育も行う。 また、医薬品に関する情報収集、情報管理も業務の一環。 | 責任感が強くプレッシャーに負けない人 |
企業内診療所の薬剤師 | 企業で働く従業員のために設置された医務室で働く薬剤師のこと | 医師が処方した薬に基づいて調剤を行う。 風邪や頭痛などに対応し、臨時で服用する処方が中心。 | 大企業ならではの福利厚生を求める人 |
なるほど。じゃあ、企業で働く薬剤師はどんなメリットがあるの?
企業で働く薬剤師のメリットは、以下の3つが挙げられるよ。
- 年収が高めである:企業で働く薬剤師の年収は、その職種や企業規模によって異なるけれど、目安となる年収は450~1500万円と幅広いんだ。特に、インセンティブのあるMRや研究開発職は高年収が見込めるよ。
- 福利厚生が充実している:企業は福利厚生が充実している傾向にあるよ。家賃補助や家族手当、退職金制度が整っていたり、有給や産休・育休も取りやすかったりするね。
- 土日休みの職場が多くある:基本的に一般企業は残業が少なく、土日が休みだよ。夏季休暇や年末年始休暇などもあり、年間休日日数が多いから、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できるね。
それはいいね。でも、デメリットは何なの?
デメリットは、以下の2つが挙げられるわ。
- 求人数が少ない:企業で働く薬剤師は人気の高い職種だけど、病院薬剤師や薬局薬剤師に比べて募集数が少ない傾向にあるよ。特に中途採用の求人は少なく、非公開求人も多いから、転職難易度は高いと言えるね。
- 職場文化の違いを理解する必要がある:調剤薬局や病院の職場と企業の職場では違いがあることを理解しなくてはならないんだ。企業ではチーム単位で業務を進め、飲み会や決起会など業務外での交流も多いからね。そのため、コミュニケーションが苦でないか、自分の求める働き方と合っているかを事前に検討する必要があるね。
なるほど。じゃあ、企業で働く薬剤師は自分の希望や目標に合った企業を選ぶ必要があるんだね。
そういうこと。企業で働く薬剤師は、
やりがいもあるけど、チャレンジも多い職種だからね。
転職する際には、自分のスキルや経験をアピールできるように準備することも大切だね。
ドラッグストアで働く薬剤師
へえ。じゃあ、ドラッグストアで働く薬剤師はどんな仕事をするの?
ドラッグストアで働く薬剤師の仕事は、主に以下の3つがあるよ。
なるほど。じゃあ、ドラッグストアで働く薬剤師はどんなメリットがあるの?
ドラッグストアで働く薬剤師のメリットは、以下の3つが挙げられるよ。
- 年収が高い:ドラッグストアは、薬剤師の年収が高い職場のひとつよ。大手企業では平均年収500万円~600万円以上が見込めるよ。深夜営業や年中無休で営業しているから残業や休日出勤が多くなりやすいけれど、その分高収入になるよ。
- 求人数が多い:ドラッグストアは、薬剤師の求人数が多い職場だよ。自分の希望に合った職場を探しやすいし、正社員以外の働き方も選べるよ。また、求人数が多いということは、人手不足が解消されてシフトの調整もしやすくなっているということになるね。
- さまざまなスキルを磨ける:ドラッグストアでは、さまざまな目的での来店者がいて、抱えている悩みも千差万別だよ。そのため、コミュニケーションスキルや薬剤師としての知識を深めることができるよ。また、商品販売という観点から、経営に関するスキルも磨けるよ。
高収入で求人数が多いのは魅力的な職場だわ。でも、デメリットは何なの?
デメリットは、以下の2つが挙げられるよ。
- 仕事中心の生活になりがち:ドラッグストアは、調剤薬局や病院よりも営業時間が長く、土日祝日も営業していることが多いんだ。そのため、残業や休日出勤が多くなりやすく、プライベートの時間を確保しにくいかもしれないね。
- 雑多な仕事も多い:ドラッグストアでは、薬剤師としての仕事だけでなく、商品の補充やレジ打ちなども行う必要があるよ。また、来店者からのクレーム対応なども発生するかもしれないね。薬剤師としてのやりがいには欠けることもあるだろうね。
仕事中心の生活になったり、雑多な仕事をしたりするのはちょっと嫌だな。
さて、今回は病院薬剤師、薬局薬剤師、企業で働く薬剤師、ドラッグストアで働く薬剤師について見てきたね。それぞれの職種の特徴やメリット・デメリットを理解できたかな?
うん。それぞれに魅力的な職種だと思ったよ。
でも、自分に合っているのはどれなんだろう?
自分に合っている職種を見つけるには、
自分のやりたいことや得意なこと、
目指したい将来像などを考えることが大切だよ。
もし、迷っているなら、
転職サイトや転職エージェントなどを
利用してみるのもいいかもしれないね。
そうだね。色々な情報を集めて、
自分にぴったりの職種を見つけたいと思うよ。
そう言ってくれて嬉しいよ。これからも、一緒に勉強していこうね。
以上が薬剤師の働き方と業種・職種についての解説でした。参考になりましたでしょうか?
もしもっと詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
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